目をキラキラさせて周りのものに興味を持つお子さんたち。6か月を迎える頃には、身の回りのものに手を伸ばして口に運ぶ動作が見られるようになります。

飲み込まないよう細心の注意を払っていても、ふとした隙に、小さなおもちゃや食べ物など、お子さんが口に運んだものが、のどに詰まり、息ができなくなることがあります。このような、気道(鼻や口から肺に至るまでの空気の通り道)が塞がれ息のできない状態を、窒息と呼びます。

窒息は、そのままの状態が続けば死に至りうるため、一刻も早い的確な対応が重要です。今回は、いざという時いつでもどこでも実践できる、窒息の応急処置をご紹介します。

※この記事は小児科オンラインジャーナル(2019年8月26日配信)より許可を得て転載しています。
※本ページの記事は、妊娠・出産・子育てに関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

■お子さんの音、色、仕草で窒息の可能性に気づくことが重要です

まず、気づくことが第一歩です。特に

  • 突然の咳き込み
  • 突然声が出なくなった(出せなくなった)
  • 首を押さえ苦しそうにしている
  • ひゅうひゅう音がする
  • 顔色や唇が青ざめる

などの症状は、窒息の可能性があります。このような状況では、直ちに次の行動にうつりましょう。

■救急車を呼ぶ「窒息かも!119番通報を!」

次に、周囲に助けを求め、救急車を呼びましょう。続いて、詰まったものを体の外へ押し出す処置にうつります。お子さんの年齢(体の大きさ)に合わせ、以下のいずれかの方法を選びましょう。

■1歳未満の応急処置:「背中を叩く」「胸を圧迫」を交互にくり返す

(1)お子さんを膝に乗せ、ひざまづくか座ります。

(2)お子さんをうつ伏せに抱き、片腕で体を支えながら、同じ腕の手のひらで顎を支え、お子さんの頭を体よりもやや下げ、

(3)もう一方の手のひらの付け根に力を込め、お子さんの背中(肩甲骨と肩甲骨の間)を5回叩きます。

(4)お子さんを仰向けに返し、片腕で体を支えつつ、同じ腕の手のひらで後頭部を支え、お子さんの頭を体よりもやや下げ、

(5)もう一方の手の指先2本で、お子さんの胸(両乳首の中間より少しへそ寄り)を、心肺蘇生法のように頭に向かって5回突き上げます。

詰まったものが取れるか、救急隊と交替するまで、「(2)(3) 背中を5回叩く」と「(4)(5) 胸を5回圧迫」を交互にくり返します。

■1歳以上の応急処置:みぞおちから突き上げる

(1)可能であればお子さんに咳を促します。お子さんにその余力がなければ、

(2)お子さんの背後から両腕を回し、

(3)片方の手で拳を作りお子さんのみぞおちに当て、もう一方の手をその拳の上に重ね、

(4)両手でお子さんのみぞおちを、手前上方へ素早く突き上げます。

詰まったものが取れるか、救急隊と交替するまで、(2)〜(4)の処置を続けます。

窒息は予防が最重要ですが、時として避けられない事故も起こりえます。今回は、アメリカ心臓協会の提唱する救命のためのガイドラインに基づき、いざという時のための窒息の応急処置をご紹介しました。

文/小児科医 西田純子