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2008年5月に日本で開業したオンラインの生命保険会社である、ライフネット生命。2021年8月に、「海外市場における募集による新株式発行に関するお知らせ」を発表しました。社内の担当チームが、そのいきさつなどについて、リレー形式でお送りしていきます。
第1回は、経営企画担当役員の近藤が担当します。


こんにちは。ライフネット生命で経営企画担当役員を務めている近藤です。

ライフネット生命は、2021年8月31日に海外公募増資を行うことを発表しました。その後、投資家への説明を経て、約100億円の資本調達を実行しました。

生命保険ビジネスは、契約を獲得し長期間維持するための投資が必要なことに加え、資本規制もあることから、資本を確保することが非常に重要です。保険業法においても、保険会社の最低資本金は10億円と定められています。

当社の公募増資は2020年7月に続いて、上場以来2回目です。当社の資本調達に関しては、古くは2008年の開業前、132億円を調達した創業者の岩瀬さんが当時の状況を1冊の書籍にまとめています。昨年の増資時は、アドバイザーを務めていただいたシニフィアンの村上さんがまとめてくださいました。その後、コロナ禍において、当社と同じマザーズ上場企業の資本調達が盛んに行われる中、freeeさんプレイドさんも自社のディールをとてもわかりやすく公開されていました。どれも1人の読者として、とても興味深く拝読しました。

私も当社のマニフェストにも記載されている積極的な情報発信の精神に則り、今回の海外公募増資における出口として、当社もプロジェクトメンバーによる社員ブログの連載で振り返ってみることにしました。

今回の当社の資本調達の特徴として、ほぼ資本調達の未経験者ばかりのチームで実行したことが挙げられます。私も昨年の増資は初めての経験だったことに加え、他社の素晴らしいCFO(最高財務責任者)の皆さんのように証券会社や投資銀行、コンサルティング会社での経験があるわけでもありません。毎回様々な皆さんの協力を得ながら、手探りで進めていることが実態です。

そこで、今回の連載のテーマをおこがましくも「だれでもできる資本調達」と設定して、当社が取り組んできた内容を未経験者の視点からご紹介したいと考えています。プロフェッショナルの皆さんから見ると稚拙な内容もあるかもしれませんが、その点はご容赦いただけると幸いです。

資本調達や公募増資と言うと、その言葉からも「高度な専門家が集まって実行するもの」というイメージが強いかもしれません。その一方で、そうではなかった当社の経験を記すことで、同じように市場からの資本調達を検討する際に少しでも参考になるものを提供できれば嬉しいです。

昨年7月の海外公募増資は、新型コロナウイルス感染拡大の第一波によって、非対面で契約ができるオンライン生命保険のニーズが大きく顕在化したタイミングで、「グロース(成長)&トランスフォーメーション(変革)の実現」を目的として行いました。

コロナ禍をきっかけに金融のデジタル化が進むとともに、その後も当社の業績は成長軌道にあります。そして、それは前回増資時においた当社の想定を上回るペースで推移しています。そこで、今年は「グロース&トランスフォーメーションの“加速”」を目的に海外公募増資を実行しました。

生命保険会社は成長すると資本調達がなぜ必要なのか、2年連続そして海外でなぜ公募増資を行ったのかなど、書きたいことはたくさんありますが、具体的な内容はメンバーによる以降の連載に譲りたいと思います。

全部で7-8回の連載になる予定です(筆が進むともっと多くなるかもしれません)。それぞれのメンバーが経験を余すことなく書き連ねますので、お付き合いいただけると嬉しいです。そして、当社のIRメールに、忌憚のないご意見やご感想をお寄せください。

取締役執行役員
近藤

<プロフィール>
近藤良祐(こんどう・りょうすけ)。電機メーカー、政府系金融機関を経て、2012年ライフネット生命入社。昨年の海外公募増資に続き、今回の海外公募増資のチームにも責任者として参加。最近ハマったお菓子はチーズを挟んだ塩バタークッキーと、ラムネ。

>>リレーブログ「ライフネット生命の海外公募増資の出口②~海外公募増資の実行に当たって検討したこと」はこちら