一口に食物アレルギーと言っても、いくつかのタイプがあり、果物や野菜を食べた際に口やのどの粘膜が痒くなったりイガイガしたりする特殊なタイプがあります。このタイプは花粉症が密接に関わっています。

※この記事は小児科オンラインジャーナル(2019年3月18日配信)より許可を得て転載しています。
※本ページの記事は、妊娠・出産・子育てに関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

■鼻粘膜で反応して食物アレルギーになる

一般的にはアトピー性皮膚炎など炎症のある皮膚で、食物の成分が反応し、体がその成分に敏感になること(医学的にはこのプロセスを「感作」と呼びます)で食物アレルギーが発症することが多いと言われています。しかし、中には花粉症など鼻粘膜で花粉に感作することをきっかけに食物アレルギーを発症してしまう場合があり、それを花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome, PFAS)と言います。花粉と食物の有名な組み合わせとして、北海道などに多いシラカンバの花粉症とリンゴやモモなどのバラ科食物の食物アレルギーの合併があります。

■花粉と食物の抗原の形が似ているために体が勘違いしてしまう

なぜ一見関係なさそうな花粉症をきっかけに、食物アレルギーになってしまうことがあるのでしょうか。それは、それぞれの食物に存在するアレルギー反応を起こす成分である「抗原」に関係があります。実はシラカンバ花粉の抗原とバラ科食物の抗原の形がほぼ同じなのです。その結果、シラカンバ花粉症の人の中に、バラ科食物が入ってくると「シラカンバ花粉が来た!」と体が勘違いして症状を起こしてしまう人が出て来ます。

■花粉と食物の組み合わせは様々で、該当食物の除去が対応の基本となります

シラカンバ-バラ科食物を例にお伝えしましたが、それ以外にもスギ花粉症をきっかけにしてナス科のトマトのアレルギーになったり、イネ科の花粉症でウリ科のメロンやスイカのアレルギーになったり、と様々なパターンがあります。

困ったことにこのPFASを発症してしまうと現時点では治す方法がなく、その食べ物を除外する以外に対応法がありません。そのため、花粉症を早めにしっかり治療してPFASを発症させない、というのが個人的には現時点での対応になるかと考えています。

PFASは乳幼児より学童期以降で多くなってきます。花粉症がある場合は早めに治療をされた方が良いと思います。

文/小児科医 千葉剛史