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妊娠中はさまざまな症状が起こることもあるため、その都度ご心配になると思います。
すべての症状が重大なトラブルにつながっているわけではありませんが、どのような症状がでたら緊急性が高いのかを事前に知っておくと、落ち着いて対応することができます。そこで今回は妊娠中に緊急受診が必要な症状について、妊娠週数別にわかりやすくお伝えします。

※本ページの記事は、妊娠・出産・子育てに関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

■妊娠初期(〜妊娠15週まで)

◇性器出血・腹痛
妊娠初期は少量の出血や軽い腹痛が起こることがあります。正常の妊娠過程でもこのような症状が起こる場合もありますが、流産や切迫流産の可能性もあるため、以下の症状がある場合は受診をおすすめします。

症状 受診目安
・軽い腹痛
・少量の出血
念のためかかりつけの病院に電話で相談する
(夜間休日であれば、翌日の受付時間内に)
・生理の時くらいの出血量がある
・ひどい腹痛(腹痛がだんだんと悪化する)
早めにかかりつけ医へ受診する
(夜間・休日は救急外来へ受診を)

◇つわり
妊娠中に吐き気や嘔吐などのつわり症状が起こる方も多いでしょう。中には、つわり症状が悪化して「妊娠悪阻(おそ)」となる場合もあり、その際は病院での治療が必要です。以下の症状がある場合には、かかりつけの医師に相談しましょう。

症状 受診目安
・妊娠前と比べて5%以上の体重減少がある
・水分が全く取れず、皮膚や口が乾燥する
・トイレに行く回数が明らかに減る(尿量減少)
・めまいやだるさ、頭痛などで歩くことができない
かかりつけの病院に相談する

■妊娠中期(妊娠16週〜妊娠27週まで)

妊娠中期は比較的状態が安定してくる時期です。しかし、早産(妊娠22週以降37週未満の出産)や切迫早産(早産になりかけている状態)には注意が必要です。以下の症状がある場合には、かかりつけの医師に相談しましょう。

症状 受診目安
・お腹の張りや痛みが悪化する、頻回に起こる
・性器出血や38度以上の発熱がある
・破水が起こる
かかりつけの病院に相談する

■妊娠後期(妊娠28週〜)

妊娠後期になるとお腹が大きくなるため、お腹の張りや腰痛、便秘による腹痛が起こることもあります。これらの症状は心配のない場合もありますが、早産や切迫早産、常位胎盤早期剥離など早めの治療が必要な場合がありますので、注意が必要です。以下の症状がある場合は受診をおすすめします。

症状 受診目安
軽い腹痛やお腹の張り
(1時間ほど横になっても改善しない)
念のためかかりつけの病院に電話で相談する
(夜間休日であれば、翌日の受付時間内に)
・腹痛(腹痛がだんだんと悪化する)
・お腹の張りや腹痛以外にも性器出血がある
・急に赤ちゃんの鼓動を感じなくなった
早めにかかりつけ医へ受診する
(夜間・休日は救急外来へ受診を)

最近は妊娠中も仕事をしている方が多くなってきたと思います。かかりつけの医師から「仕事を休むように」、「作業を軽くするように」などの指示があっても、会社や職場の上司、人事部等に伝えづらい場合もあるかもしれません。そのような場合、妊娠中の状態を伝える「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用しましょう。かかりつけの医師が妊婦さんへの指導内容を記載し、妊婦さんからカードを受け取った会社はその内容に応じた適切な措置を行うよう定められています。妊娠と仕事を両立する際に便利なツールですので、ぜひ使ってみてください。
※連絡カードは「妊娠・出産をサポートする 女性にやさしい職場づくりナビ」からもダウンロード可能です。

次回のコラムでは、症状と関連のある病気について詳しく解説します。

<参考文献>
・日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 産科編2020」
・日本産科婦人科学会 「流産・切迫流産」「早産・切迫早産」(閲覧日:2022.5.8)
・日本産科婦人科学会 患者向け資料「HUMAN+」(閲覧日:2022.5.8)
・厚生労働省「母性健康管理指導事項連絡カードの活用方法について」(閲覧日:2022.5.8)

<クレジット>
著作/ヘルスケアテクノロジーズ株式会社
文/看護師 木内 眞莉菜(ヘルスケアテクノロジーズ株式会社所属)