イメージ

以前のコラム(「妊娠中ってどんなことに気を付ければ良いの?」)などでは、主にお母さんの体の変化と関連する影響についてお伝えしました。お母さんの体が変化すること=赤ちゃんの成長です。
お母さんは、妊娠の確定診断を受けてから、自身の体の変化や健診を通じて、だんだんと「お腹の中の新しい命」を実感していきます。そこで、今回は妊娠初期、中期、後期と時期ごとに、赤ちゃんがどのように成長しているか、変化や特徴についてお伝えします。「何をしているのかな?」と少し様子をイメージできると、より安心して妊娠生活を送れるかもしれません。

※本ページの記事は、妊娠・出産・子育てに関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

■妊娠初期(週数:0週~15週、月数:1ヶ月~4ヶ月)

(妊娠1ヶ月)
妊娠3週頃、受精卵が子宮に到達します。これが着床すると、妊娠が成立します。この頃の赤ちゃんは、まだ1mmほどの大きさです。
(妊娠2ヶ月)
妊娠5週頃、超音波検査で赤ちゃんの袋である胎嚢(たいのう)が確認できるようなり、6週頃には心拍も確認でき始めます。この時期にはすでに、脳などの中枢神経系、心臓、目・口・鼻などの器官が形成され始めており、徐々に人間らしい姿形になっていきます。
(妊娠3ヶ月)
妊娠10〜11週になると、超音波検査で赤ちゃんの体と手足の動きが確認できるように。目や鼻、耳なども、だいぶはっきりとわかるようになってきます。また外性器がはっきりするのもこの頃です。
(妊娠4ヶ月)
妊娠14〜15週で胎盤が完成します。赤ちゃんの臓器も基本的な形成が終わり、機能も少しずつ発達していきます。それまでとても薄く、透明だった皮膚も、少しずつ厚みを増していきます。

■妊娠中期(週数:16週~27週、月数:5ヶ月~7ヶ月)

(妊娠5ヶ月)
妊娠16週頃、赤ちゃんの体の器官は全て完成します。以降は、新しくできる器官はありませんが、大きさや位置が変わっていきます。手足の筋肉も発達してきて、動きも随分と活発になります。
妊娠17~18週以降になると、超音波検査で性別の確認ができるようになります。手足の運動もますます盛んになり、足で蹴ったり、くるくると回ったりといった様子が見られます。この頃を過ぎると、お母さんもお腹を通じて、赤ちゃんの動き、いわゆる胎動を感じられるようになってきます。
(妊娠6ヶ月)
妊娠20週頃、赤ちゃんの動きのバリエーションが増えます。お母さんが感じる胎動は、「こんな動きもできるようになった」という赤ちゃんからの合図かもしれませんね。
妊娠23週頃には、髪の毛、眉毛、まつ毛が生えてきて、閉じていたまぶたも上下に分かれます。まだ皮下脂肪が少なく、皮膚はシワだらけです。
(妊娠7ヶ月)
妊娠25週を過ぎると、赤ちゃんの感覚が発達していきます。特に聴覚は完成に近づいており、外からの音の刺激に反応します。もちろん言葉の意味は分かりませんし、声のトーンから感情を読み取ることもできませんが、お腹の中で聞いた音は生まれた後に聞いても安心する、とも言われています。お父さんもお母さんも積極的に声をかけてあげましょう。

■妊娠後期(週数:28週~39週、月数:8ヶ月~10ヶ月)

(妊娠8ヶ月)
妊娠28週頃になると、超音波検査での見た目はもうすっかり赤ちゃんです。見た目だけでなく、心臓など主な臓器の形や働きが整ってきます。
妊娠30〜31週頃、ほとんどの赤ちゃんは頭を下にした、頭位の姿勢で落ち着くようになります。また、この頃から赤ちゃんの体重が一気に増えます。
(妊娠9ヶ月)
妊娠34週頃、肺の機能が成熟します。着々と羊水の世界から、外の世界へと出ていく準備を整えています。
妊娠35週を過ぎると、いつ生まれても大丈夫なくらい大きくなってきますが、発育の個人差が出てきます。
(妊娠10ヶ月)
妊娠36週頃、体重が2,500gを超え、身体機能も成熟してきます。
そして、妊娠39週頃には、身体はだいぶ丸みを帯びて顔つきもふっくらします。顔つきも、髪の毛の量も、赤ちゃんの個性が出てきます。

いよいよ待ちに待った赤ちゃんとの対面が近づいてきました。お母さんやお父さんがそうであるように、赤ちゃんもきっと楽しみにしています。赤ちゃんはもちろん、お母さんも体に気を付けて、しっかりとお産に向けた準備をしていってくださいね。

ピックアップ | ライフネット生命は、「デジタルこども手帳 てくてく」に協賛・支援をしています | ライフネット生命ってどんな会社?

<関連記事>
妊娠中ってどんなことに気を付ければ良いの?~妊娠時期による体の変化と注意点~

<参考文献>
・日本産科婦人科学会「超音波胎児計測の標準化と日本人の基準値
・医学書院「標準産科婦人科学第4版」pp.302-303,岡井崇,綾部琢哉,2017
・医療情報科学研究所「病気がみえる vol.10 産科 第2版」 pp6-11, メディックメディア, 2010

<クレジット>
著作/ヘルスケアテクノロジーズ株式会社
文/看護師 松尾 祐吾(ヘルスケアテクノロジーズ株式会社所属)