ライフネット生命新卒の花谷です。
ファイナンシャルプランナーの中嶋さんのブログで、「ライフネット生命の新卒採用課題が難しすぎる件について。」がネット上で話題になっていたので、私が新卒採用の試験として実際に取り組んだときのことを書いてみたいと思います。

■「えっ、履歴書なし、論文だけの1本勝負なの!?」

当社の新卒採用フローについてご説明すると、大きく分けて3つのステップに分かれています。

【1次選考】これが巷で噂の「重い課題」。サイトからプレエントリー後、新卒採用HPで発表されたお題に沿って、形式・枚数フリーで完成物を期限内に郵送します。この段階では、履歴書の提出も無く、課題の内容の質で選考されます。まさに真剣勝負の一次選考……。

【2次選考】丸1日のグループワーク

【3次選考】部長、役員面接。(2次選考以降も、とても印象に残っているのですが、それはまた次回以降のブログでご紹介します。)

■「ライフネット生命の新卒採用に挑戦してみた。」を読んで挑戦してみた。

自分がライフネット生命の新卒採用のことを知ったきっかけは、ファイナンシャルプランナー中嶋さんが一昨年に書かれた「ライフネット生命の新卒採用に挑戦してみた」という記事でした。

当時は大学4年生を迎えたばかりの春先で、周りの同級生は就活の真っ最中。私もその波に飲み込まれ、重い腰を上げてようやく就活を始めたばかりでした。しかし、「シュウカツ」という言葉からなるべく避けるようにして大学生活を送ってきた私は、何からどう手を付ければいいのか、まったくわかりませんでした。

まずは、就活生の間でよく交わされる「S・P・I」という謎の大文字3文字をググるところからスタート。企業が受験者の能力を測るため行う試験だということがわかり、いわゆる大企業にエントリーするときは、このスコアの提出が必要だということもわかってきました。

それに気づいたのが大学3年生の3月ごろで、大企業のエントリーの期限が迫っていました。

「せっかくだし、大企業も受けておこう」

そう思い、スコアを取るため、SPIのテストセンターに行くも、完全になめていた私は、散々な結果でした。大企業からは面接に進む前に、スコアで足切りにあい、あえなく撃沈してしまったのです。

「大企業はいいや。やっぱり、時代はベンチャーだよ!」

心を入れ替え、ベンチャーに絞って面接を受け始めるも、

「君はうちには合っていない!」
「なんで当社の面接に来たのか?」
「わが社の新卒に求める若々しさが見受けられない!」

……そのように、面接を受けた会社からはボコボコにやられました。そんなときに目についたのが、前出の中嶋さんの記事だったのです。

ライフネット生命の「重い課題」は、SPIでも無いし、いきなり面接じゃない。これなら何とかなる気がする! と、完全に宝くじを当てにいくような感覚でした。

しかも、ライフネットの新卒採用のホームページには、「ゆとりへ」というメッセージが書かれていて、就活でへこたれている自分に発破をかけられているような気持ちにもなったものです。

■「重い課題」はやっぱり重い。

私が取り組んだ「重い課題」のお題はこちら。

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着手した時点で、すでに提出期限が残り2週間。しかも、お題の重要な要素である「寿命100才の日本」のイメージがまったく沸かずに、何も書けないまま1週間が経過してしまいました。

このままだと何も進まない! さすがに危機感が生まれ、政府が出している各種統計を調べたり、図書館でそれっぽい本を借りて読み漁ってみたり。そうやって実際にデータに当たってみると、いろいろな想像が浮かびます。

「寿命が100才になっても、このままお年寄りだけ増えて、子どもが増えないと、誰がお年寄りをサポートするのかなあ……」

「すでにお年寄りの割合が多い地域は今後どうなっちゃうんだろうなあ……」

「80才ぐらいまでは元気に働いてもらないと社会保障が持たなそうだなあ……」

友人からは、「そんなことよりも、まず自分の心配をしろよ!」と突っ込まれ、就活の時期に、リクルートスーツでひとり調べ物をしながらブツブツ言っている姿を不審がられました。

「重い課題」のテーマは壮大でしたが、このままでは自分の手に負えないと、論点を絞ることに。医療や社会保障には少し興味があったので、そこを集中的に考えていきました。

すると、2013年時点での出生率から変わらないまま、50年後、平均寿命が100歳になったら、65歳以上の人口が生産年齢人口を上回るということがわかってきました。

↑提出した重い課題の内の1枚

↑提出した「重い課題」のうちの1枚

僕が提出した論文では、最終的に、

65歳以上の人口が増える⇒介護、看護が必要となる人口が増える⇒生産年齢人口の金銭的、時間的負担が増える⇒出生率が伸びず、平均年齢が上がる⇒65歳以上の人口が増える……

という負のループにより、50年後に成人を迎える若者が、こどもを産みたくても産めず、成長が見込めないなかで負担を強いられることを深刻な問題として位置づけました。

その解決策としては、

・65歳以上の人口が増えても、介護、看護が必要となる割合をなるべく抑えることができるよう高齢者が元気に暮らせる医療の仕組み

・高齢者や子どもを家族だけではなく、社会全体で支えていき、働く人への負担を減らす仕組み

この2つを提案しました。そして結果は、無事に1次選考通過となったのです。
それ以降の話は、またに機会にまとめたいと思います。

■「重い課題、これすなわち日々の仕事なり」

自分が提出した「重い課題」を、あらためて読み返してみると、突っ込みどころが満載でした。ただ、就活の時期に他社の選考や大学のゼミなどと両立をしながら、諦めず納得いくまでやりきったことは大きな自信につながり、ライフネット生命に入社したいという思いも強くなりました。実はこれこそが重い課題を課す裏の狙いだったりして?

当社が取り組むネット生保という事業は、前例が無く、何をやるにしても正解がありません。むしろ、自分の頭で考えて仕事をつくっていく力と、やると決めたことを「これやって成功だったよねー」と正解に導く行動力がとても大事なんだなと入社してわかってきました。

「重い課題、これすなわち日々の仕事なり」

上司の背中を見て感じている毎日です。