米国では、10月12日は、コロンブスがアメリカ大陸を発見した1492年同日を記念し、Columbus Day という祝日になっています(ただし、米国内でこの日を祝日と定めていない州もいくつかあるのですが)。
天動説がまだ主流だった当時、コロンブスの冒険はとてつもないチャレンジだったのではないでしょうか。
というわけで・・・
日本語では、以下のようなときに「チャレンジ」という言葉を使います。
日本語の「チャレンジ」をそのまま英語にした例文 |
(その1) 今年の冬はスノーボードにチャレンジしてみるんだ! I’m going to challenge snowboarding this winter! (その2) 一番のチャレンジは、ブランド認知度を上げることだ。 The biggest challenge is increasing brand recognition. |
実は、英語として正しいのは「その2」のような場合で、「その1」のような使い方はしません。これは、英語では日本語のように「頑張る」という意味の動詞として“challenge”を使わないからです。
●Point 1:英語の”challenge”は、「頑張る」という意味では使わない
では、どんなときに“challenge”を使うのでしょうか。
●Point 2:英語の”challenge”は、「大変なこと」「課題・問題」という意味で使う
英語の “challenge” は、「大変なこと」「課題・問題」という意味で主に名詞として、以下のような使い方をします。
“challenge”を用いた正しい英語表現の例文 |
(その1) チーム全員を合意させるのは大変だった。 It has been a challenge getting the team to agree. (その2) 最初の課題は、問題を特定することだ。 The first challenge is to pinpoint the problem. |
ちなみに、動詞として使う場合は、「異議を申し立てる」や「挑発する」という意味で使います。例えば、テニスで審判の判定に対して異議を申し立てることを「チャレンジ」と言いますが、このニュアンスが正しい用法です。以下の例文が正しい動詞としての “challenge” の使い方になります。
“challenge”を動詞として用いた場合の例文 |
(その1) 私の説が間違っていることを証明できるなら、してみなさい。 I challenge you to prove my theory wrong. (その2) 私は常に自分自身を高めようとしている。 I always try to challenge myself. |
では、「頑張る」「挑戦してみる」という意味で「チャレンジ」と言いたい場合は、どのような表現を使うのがよいのでしょうか。
●Point 3:「挑戦する」という意味で使うのは”challenge”ではなく”try”
冒頭にあった「今年の冬はスノーボードにチャレンジしてみるんだ!」ですが、これは英語では以下のようにいうのがベストですね。
“I’m going to try snowboarding this winter!”
と、 “try” を使うのです。 “try” は、できないことをやってみるときや、試しにやってみる、という意味の言葉で、例えば次のような使い方をします。
“try”を使った例文 |
(その1) やってみたら? Give it a try. (その2) 頑張れるだけ頑張ったけど、勝てなかった。 I tried my hardest, but I couldn’t win. |
日本語では入れ替えがきくような表現も、英語ではそうでもないことがあるので、気をつけてくださいね。
<プロフィール>
千浦郁布子(ちうら・ゆうこ)
東京都千代田区生まれ。幼稚園〜小学校と大学の計12年間をアメリカで過ごしました。前職で英会話学校の教材とサービスの開発をしながら、ポッドキャストなどの英語学習コンテンツをつくっていました(自ら出演も!)。現在は、ライフネット生命のお申し込みサポート部でお客様との接点となるウェブサイトやパンフレットなどのマネージングをしています。
10月31日はハロウィンですが、前職では当日になるとネコの耳を着けるという軽い仮装で仕事をしていました。ライフネット生命に転職してからはまだ着けられていないので、今年こそは……!?