いよいよ12月!今年も残りわずかとなりました。大掃除や年賀状の準備等、忙しいこの時期ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
そしてクリスマスパーティーや忘年会、年明けの新年会などと、お出かけをする頻度が高くなる方もたくさんいらっしゃると思います。そのようなお出かけや、もっと広いところで言うと冠婚葬祭のときに気をつけたいマナーが今回のテーマです。
今回のテーマ: TPO ……………………………… 英語では「TPO」って通じないの? |
Time (時間)、 Place (場所)、 Occasion (場合・機会)の頭文字を取って、その場や状況に適切な服装や言動の使い分けのことを指すとても便利な言葉です。これをそのまま英語にすると、以下のようになります。
日本語の「TPO」をそのまま英語にした例文 |
(1) 「TPOをわきまえて、よろしくお願いします」 “Please be aware of TPO.” (2) 「携帯のTPOについて、どう思う?」 “What do you think of cell phone TPO?” |
英単語の頭文字を使っているので間違いやすいのですが、実は「TPO」は完全な和製英語なのです。
●Point 1:「TPO」は和製英語
英語では、この「TPO」に当たる単語がないので、 “appropriate” という「適切」という言葉などを使って表現するのが自然です。先ほどの例文を正しい英語で言うと、以下のような文章になります。
“TPO”を表す正しい英語表現の例文 |
(1)「TPOをわきまえて、よろしくお願いします」 *「適切な服装でお願いいたします」 “Please make sure to dress appropriately.” *「言動に気をつけてください」 “Please be aware of what you say and do.” (2)「携帯のTPOについて、どう思う?」 *「携帯電話をいつ使うのが適切だと思いますか?」 “When do you think it’s appropriate to use cell phones?” *「携帯電話のエチケット(マナー)とは?」 “What is cell phone etiquette?” |
●Point 2:英語では、「何」についての適切さかを具体的に
日本語の「TPO」が、服装や言葉遣いや立ち振る舞いなど、色々なことに対して使える表現で、かつそれらを「使い分ける」という意味合いも含む言葉なのでとても便利なのに対して、英語では具体的にどのようなことに対しての適切さを指すかを明確にする必要があります。このため、何を言いたいかによって、使うことができる表現はたくさんあります。
また、「TPO」という言葉が使われる会話やシチュエーションで、割とよく使われる英語の表現がいくつかあるので、その一例をご紹介します。
●Point 3:英語での表現は、シチュエーションに応じて
“It’s a black tie event. Those shoes aren’t suitable.” 「フォーマルなイベントだから、その靴は相応しくない。」 |
“black tie” は黒の蝶ネクタイのことで、 “black tie event” はフォーマルな服装が求められるイベントのことです。
“suitable” は「相応しい」。
“I feel like I’m underdressed…” 「もっとお洒落をすれば良かった・・・。」 |
“underdressed” は、服装の相応しい基準を “under” 「下回っている」という意味で、要するに服装のレベルが少し低かった、もっとお洒落をするべき状況であった、ということです。同様に、 “overdressed” は基準を上回っていることなので、服装がフォーマル過ぎた時に使います。
“You need to be on your best behavior tonight.” 「今夜はお行儀よくしていてね。」 |
“best behavior” は、「一番(ベスト)な行動・言動」という意味で、よく子どもに対して「おりこうにしていなさい」と言いたいときに使う表現です。
<プロフィール>
千浦郁布子(ちうら・ゆうこ)
東京都千代田区生まれ。幼稚園〜小学校と大学の計12年間をアメリカで過ごしました。前職で英会話学校の教材とサービスの開発をしながら、ポッドキャストなどの英語学習コンテンツをつくっていました(自ら出演も!)。現在は、ライフネット生命のお申し込みサポート部でお客さまとの接点となるウェブサイトやパンフレットなどのマネージングをしています。 Happy Holidays!!