15072801_1
入院して仕事を休まなくてはいけなくなったり、家族が亡くなって家計の収入が大きく減ってしまったり、そんな万が一の時に備えて加入しておくのが保険です。しかし、入院給付金や死亡保険金って、契約の額面通り受け取れるものなの……? 受け取り時に税金がかかるのかどうか、知らない人が実は多いのではないでしょうか。今回は、受け取り時に困らないために知っておきたい、税金と生命保険の関係についてお話しします。

■医療保険の給付金には税金がかかりません

15072801_2入院をしたときに受け取る医療保険の入院給付金には、税金はかかりません。「不慮の事故や疾病などにより受けとれる給付金は非課税」ということが法令(所得税法施行令第30条第1号)で決まっています。

しかし、死亡保険の保険金には、税金がかかるので注意が必要です。

■死亡保険は契約形態に注意! 保険金の受取時にかかる税金が違います

世帯主に万が一のことがあると、入ってくるお金が減るので、それまでの家計収支のバランスが崩れてしまいます。残された家族が安心して暮らしていけるためのお金を用意するのが、死亡保険の役割です。

15072801_3

死亡保険金は残された家族の生活保障という大切な役割があるため、相続人(特に配偶者)が死亡保険金を受け取る場合の税負担は小さくおさえられるようになっています。

死亡保険の場合、契約者、被保険者、受取人がどういう関係にあるかで、死亡保険金にかかる税額が大きく変わりますので、事前に契約形態はしっかり確認しましょう。

●大切なポイント

死亡保険は受取時に保険金にかかる税金が「相続税」になるように

  • ポイント1 「契約者=被保険者」
  • ポイント2 「受取人は配偶者(または子)」 という形にしましょう。
生命保険の基礎を確認しましょう

*契約者
 生命保険会社と保険の契約を結び保険料を負担する人
*被保険者
 その人の生死・ケガ・病気などが保険の対象となっている人
 ( 死亡保険であれば、被保険者が亡くなった場合に死亡保険金が支払われます)
*受取人
 保険金や給付金を受け取る人

下表は死亡保険を受け取る際の、契約者、被保険者、受取人の関係で対象となる税金が異なることを説明したものです。ケース1や2のように、保険金にかかる税金が相続税の場合に対し、ケース3や4のように税金の種類が所得税や贈与税になる場合は、保険金額にかかる税金も高額となるので注意が必要です。

15072801_4

◎2015年1月時点の税制に基づき、以下の条件で計算しています。
・保険金額3,000万円
・払込保険料24万円(4,000円の保険料を5年間支払ったと想定)
・勤務先から渡された源泉徴収票の金額
 ・支払金額670万円
 ・給与所得控除後の金額483万円
 ・源泉徴収税額11.14万円
 ・社会保険料85.1万円
 ・配偶者控除38万円
 ・扶養控除101万円
 ・基礎控除38万円
 ・生命保険料控除額12万円


※1[ケース1・2]相続税の各種控除の例

  • 配偶者には税額軽減があり、相続した財産が法定相続分までか、もしくはそれ以上であっても1.6億円までなら非課税です。
  • 基礎控除で3,000万円+600万円×法定相続人数の金額までは非課税です。
  • 死亡保険金は、500万円×法定相続人数の金額が非課税になります。

<計算例>法定相続人3人(妻と子が2人)、死亡保険金3,000万円のほかに相続財産が3,000万円のケース

  1. 死亡保険金の控除で、500万円×法定相続人(3人)=1,500万円が非課税金額となり、課税対象の相続財産は3,000万円+(3,000万円―1,500万円)=4,500万円
  2. 基礎控除で3,000万円+600万円×法定相続人(3人)=4,800万円までは非課税。
  3. 1の金額(4,500万円)が2の金額(4,800万円)を超えないので法定相続人(妻と2人の子ども)は、相続税を納める必要がありません。

※2[ケース3]所得税の計算方法

  1. 一時所得を計算 「総収入金額(3,000万円)」− 「払込保険料(24万円)」 −「一時所得の特別控除額(50万円)」=「一時所得(2,926万円)」
  2. 総所得金額の計算 「給与所得(483万円)」+ (「一時所得(2,926万円)」×1/2)=1,946万円
  3. 所得控除額の計算 「社会保険料控除(85.1万円)」+「生命保険料控除(12万円)」+「配偶者控除(38万円)」+「扶養控除(101万円)」+「基礎控除(38万円)」=274.1万円
  4. 課税総所得金額の計算 「総所得金額(1,946万円)」 − 「所得控除額(274.1万円)」=課税総所得金額(1,671.9万円)
  5. 税額の計算 「課税総所得金額(1,671.9万円)」×「所定の率(900万円超1,800万円以下なので33%)」 − 「所定の控除額(153.6万円)」=算出税額(398.127万円)
  6. 「算出税額(398.127万円)」−「源泉徴収税額(11.14万円)」=386.987万円

※3[ケース4]贈与税の課税対象額

  1. 課税価格を計算 「死亡保険金(3,000万円)」−「基礎控除額(110万円)」=「課税価格(2,890万円)」
  2. 税額の計算 「課税価格(2,890万円)」×「所定の率(1,500万円超なので50%)」−「所定の控除額(250万円)」=1,195万円

ちょっと難しい話ではありますが、この機会に、ご自分やご家族の保険について、もう一度確認してみてはいかがでしょうか。

そのほか、保険についての気になる点や疑問点などには、こちらの解説>>をご覧いただけます。

<クレジット>
構成/ライフネットジャーナル オンライン編集部

人生と仕事をお金に関するさまざまな記事を配信中↓ライフネットジャーナル オンライン 公式Facebook