だいたひかるさん、岩瀬大輔(ライフネット生命保険 社長)

ライフネット生命は8月1日、当社初のがん保険「ダブルエール」の発表会を都内で行いました。がん罹患者の声を聞きながら保険を開発した経緯をご紹介するほか、社長の岩瀬大輔と、お笑いタレント・だいたひかるさんとの対談も実施。2016年に乳がんを公表し、現在は乳がん治療をしながら仕事に復帰してテレビや舞台で活躍中のだいたさんに、がん罹患者としてのご経験についてうかがいました。

■女性ならではのがん罹患後の困りごと

岩瀬:乳がんが発覚したときの心境はいかがでした?

だいた:テロにあったような気分というか、がんに人生をハイジャックされてしまった感じでした。もう日常に戻ることはできないと思いましたね。でも手術をして、抗がん剤の治療に移ってからは、次第に普通の生活を送るうえでのコツをつかんできました。抗がん剤をどのくらい投与したら、自分がどんな状態になるかわかってきたんです。自分でペースがつかめるようになって、やっと、「バンジージャンプ以外なら仕事ができそうです」とマネージャーに連絡しました。

岩瀬:バンジーはさすがに無理ですよね。

だいた:ウィッグが飛んじゃうので(笑)。それはそれで面白いですけどね。がんは不治の病というイメージがあったのですが、今は、きちんと治療すれば仕事を継続していけるんだなと実感しています。

岩瀬:まさに当社のがん保険のコンセプトが、“働きながらがんを治療するための保険”なのですが、今のだいたさんのお話にとても親和性の高い商品だと思います。この対談では、ライフネット生命が、がんを体験された572名へのアンケート調査結果を参照しながら、お話を進めさせていただきます。ひとつ目の調査結果は、「がん罹患後の困りごと」です。


岩瀬:これを見ると男性は食生活や医療情報の取得に困ったと答えている方が多かったのですが、女性は外見のケアや通院といった、どうしても外出しなければならない活動に対する不安を回答された方が多かったです。だいたさんご自身の経験から見て、この結果はいかがですか?

だいた:私もがんになってからは外に出るのがイヤになりました。私は全摘出をしたのですが、腕が上がらないんですよ。そして重いものが持てないんです。ほかにも、人にぶつかったときに胸の傷口がどうなってしまうのかという恐怖感があったり、ウィッグがわざとらしく見えないか気になってしまったりと、どんどん外出が億劫になっていくんです。だから、こうした回答をされた方の気持ちはよくわかります。

■タクシーで「自分は病気なので……」と言いたくない

岩瀬:この質問に関連して、次に「生活にどんなサポートがほしいですか?」と聞いてみました。その結果がこちらです。


岩瀬:全般的に家事まわりのサポートを求めている方が多いです。あとは通院の送迎やお子さんの送り迎え、悩みを共有できるコミュニティがほしいといったご意見もありました。当社では給付金をお渡しして終わりではなく、こうしたがん経験者の方々のご意見を踏まえて、サバイバーシップ支援サービスを立ち上げています。だいたさんはご自身が使ってみたいものはありましたか?


だいた:私は手術と入院は東京の病院だったのですが、治療の途中で先生が転勤してしまい、抗がん剤の投与は転勤先の埼玉の病院に通うことになってしまって。そういうときに交通のサポートがあるとうれしいです。体調が悪い時に電車で通うのは本当にツラかったですから。それに保険会社が勧めてくれるタクシー会社であれば、「自分は病気なので……」とドライバーさんに余計なことを伝えなくていいですよね。そういう細かいところでも心が楽になります。

岩瀬:自宅で包丁を握るのも大変だった時期があったとか。


だいた:そうなんです。抗がん剤の副作用って嘔吐のイメージがありますが、私は嘔吐よりも関節が痛くなってしまうことがありまして、ペンを持つのも痛くてできないことがあるんです。

でも、だからといって家にいるのに何もしないのは、自分がダラケている感じがして、それはそれで心が痛い。そういうときに、カット野菜を届けてくれるサービスの紹介があると助かりますね。

■船と浮き輪がセットで来た!

岩瀬:続いて、「収入が減って困ったこと」について聞いてみました。


岩瀬:だいたさんはサラリーマンではないですが、その分、お金の心配もあったのでは?

だいた:お金については、病気と同じくらい不安になりました。そもそもがんというものは治療にいくらかかるのか、見当もつかなかったんです。私は恥ずかしいことに保険に入っていなかったのですが、実は母が2つほどかけてくれていまして。これはがんになって初めて知ったんです。「産んだ責任だからかけといたんだよ」と言われたときは、夜の海にひとりで放り込まれたのに、「船と浮き輪がセットで来た!」みたいな、ありがたい気持ちになりました。

岩瀬:もしお母さまが保険をかけておいてくれなかったら……。


だいた:ぞっとします。がんはいつまで治療が続いて、いくら費用がかかるのかわからないので、次第に体だけじゃなく、心まで辛くなっていたと思います。

岩瀬:保険は健康なときに人から勧められると押し売りされているように感じるのですが、病気をすると、その大切さがよくわかると、みなさんおっしゃいますね。

だいた:若いときは年をとることが想像できないのですが、着実に年齢は重ねていくわけですよね。なぜ、日本でがん罹患者が多いかというと、端的に言うと長寿国だからです。80年以上も生きるかもしれないのに、その間、自分はがんにはならないと若い頃は考えてしまうんです。でも、その自信はいかに根拠がないものか。今は本当に実感しています。

■お金を稼げないのに使わないといけない不安

岩瀬:そして、「罹患後の仕事への意識変化」についても聞いてみました。


岩瀬:この結果を見ると、ライフワークバランスへの意識が変わったとか、まわりへの気遣いが高まったといった回答が多く、夢中で仕事をしてきた人が、がんになったことによって人生についてあらためて考えさせられたという変化がうかがえます。だいたさんはいかがでしたか?

だいた:私もだいぶ変わりました。若いときは正直、世の中の大体のことは「どうでもいいですよ」と思っていました。でも今は保険だけはどうでも良くないって思います。(報道陣に向かって)あの、みなさんわかるかもしれないですけど、今は昔より声を張っています。仕事ができることがうれしくてテンションが上がっているんです。

岩瀬:いろいろとお話をいただいていますが、これは保険会社のイベントだから話しているわけではなくて、病気を経験されたことで、お金の問題を本当に切実に感じられたからですよね。

だいた:私たちは体が資本なので、動けないと収入もゼロなんです。でもがんになると、お金が稼げないのに、色々なことにお金を使わないといけない。それもガッポガッポ。普通だったら不安に押しつぶされそうになると思うのですが、「私は保険に2つも入っているんだから大丈夫!」という思いが心の大黒柱になって、なんとか乗り切ることができました。

岩瀬:ある看護師の方が患者さんのエピソードとして話してくれたのですが、仕事を続けることができて、給与さえ入ってくれば、医療費はなんとかなるんですと。でも、給与が止まったときは本当にお気の毒だと語ってらっしゃいました。


だいた:自分がいつ復帰できるかわからないですしね。手術で全摘出しましたが、最初は9日間の入院だけでいいと思っていたんです。でも、そのあとにリンパ節転移が見つかって、今度は抗がん剤です、と。そうして気が付けば、1年間仕事ができませんでした。保険がなかったら生きた心地がしなかったですよ。

■がんは「付き合っていく病気」

岩瀬:だいたさんのブログを拝見すると、旦那さんの存在も大きかったようですね。

だいた:彼は私と違ってすごくポジティブな人で、「ひかるちゃんはがんになったけど、これは人間として深みを増しているときなんだ」と言ってくれて。(治療の過程で)髪の毛を失うことは女性にとって悲しいことではあるのですが、伸びてきたときには「地球の始まりを見ているみたい」と笑わせてくれたり。

転移や再発が不安になっても、「(がんは)虫歯みたいなものだと思ったらいい。虫歯になったらどうしようって悩んでもしょうがないから、そのつど治していけばいいよ」と励ましてくれました。不安に襲われることなくいられたのは、彼のおかげです。

岩瀬:素敵なお話をありがとうございます。では、あらためてライフネット生命のがん保険に対して期待することはありますか?

だいた:がん経験者の方の意見を反映されただけあって、がんに対して思い入れのある保険だなってすごく思います。がんになると、どうしても心が弱ってしまうんですよ。そういうときに一時的なものでなく、継続的にいろんなサポートをしてくれるのは、すごく助かります。がんは手術して終わりじゃなくて、長期的に付き合っていく病気ですから。

私もがんになってなければ、普通に入りたかったですよ。だから、まだ病気の心配がない若い人に知ってもらいたいですね。若いときは保険料も1回の飲み代にもならないくらい安いですから。私も今、母がかけてくれていた保険料を自分で払うようになってみて、たったこれだけのお金であんなに手厚いサポートが受けられるなんて、すごいことだと実感しています。保険にかかるのは本当に少しのお金ですから、自分は大丈夫と思っている人にこそ知ってもらいたいです。

<クレジット>
取材・文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部
対談撮影/村上悦子

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