「家計を改善したいなら、保険料、そしてスマホ代といった通信費を見直しましょう」ということを、よく聞きませんか? こうした固定費を圧縮することが、節約の第一歩だと言われています。

実は、家計の節約になるという以外にも保険の見直しには、重要な意味があります。「保険の見直し」が特に重要となる具体的な場面の例を、いくつかみてみましょう。

※この記事は、内容を更新して再掲しています。

■結婚、出産、マイホーム購入は見直しどき

(1) 結婚したとき、保険金受取人や指定代理請求人を見直す

若いうちから生命保険に加入している方は、多くの場合、保険金の受取人が親になっているのではないでしょうか。結婚したらまずは、死亡保険の受取人や医療保険の指定代理請求人をパートナーに変更しましょう。受取人を変更しておかないと、万一の場合にパートナーが保険金を受け取ることができなくなってしまいます。また、指定代理請求人を変更しておかないと、自分で医療保険の請求ができない場合に、パートナーが保険の請求手続きを行えなくなる場合があります。結婚を機に引っ越した場合は登録住所の変更も必要です。

なお、パートナーがどのような保障内容の保険に加入しているか、保険証券の在処などは共有しておくようにしましょう。

 (2) 子どもが生まれたとき、保障金額を見直す

お子さまが生まれると、「万一のときに家族に残したい金額」は大きく変わります。残されたご家族の生活費だけでなく、お子さまの教育費も必要になるからです。よって、お子さまが生まれたら、まずは死亡保険の保障金額を増やすことを考えましょう。(参考:妥当な金額は? 生命保険の保険金額)

また、世帯主が病気やケガによって長期間働けないことで収入が減少するリスクにも備えておきましょう。特に自営業の場合、企業にお勤めの方なら健康保険で保障されている「傷病手当金」がないため、民間の生命保険会社等が出している就業不能保険の活用をおすすめします。

* 病気やケガによって会社を休み、十分な報酬が得られない場合に、本人とその家族の生活を保障するための公的な制度。最長で支給開始日から1年6か月の間、支給開始日以前の収入の約3分の2の金額が健康保険から支給される。(2020年1月現在)

(3) 家を買ったら、死亡保険を見直す

家を購入するのにローンを組むときには、ほとんどの場合、あわせて「団体信用生命保険」(団信)に加入します。団信とは、ローンの契約者に万一のことがあった場合、ローンの残りが弁済されるもの。つまり、団信に加入したローン契約者の方に万一のことがあった場合、ご家族に残すべきお金の額は、住宅ローン分を除いて考えることができるようになります。

したがって、団信に加入した後は、死亡保険で賄おうとしていた住宅ローン分の保障を減らすこともできます。保障額を減額すれば保険料が下がり、家計への負担も軽くすることができます。

(4) 同じ保険に長く入ったままの人は、定期的に新しい保険商品と比べる

保険は、法制度の変化や医療技術の進歩に合わせて、商品の改定や新商品の発売が行われています。そのため、ライフステージの変化に応じて見直しをした方がよいのはもちろんですが、時代に合った新しい商品の方が、ご自身の現状のニーズにフィットする場合があります。

例えば医療保険だと、以前なら「入院〇日目から保障の対象」というものが多かったのですが、今はほとんどの商品が入院期間の短期化傾向に合わせて「日帰り入院から保障の対象」となっています。(例:「じぶんへの保険3」)

がん保険に関しても、以前の保障は「手術をしたらいくら」というものが多かったのが、近年は「手術か、抗がん剤治療か、放射線治療のいずれかの治療を受けたとき」が対象になるものが多く、各保険会社がそれぞれ、医療技術の進歩をふまえて工夫を重ねた商品を出しています。 (例:「ダブルエール」)

そうした変化も考えて、ご自分が加入している保険と現在販売中の保険を比べて保障内容は十分か、保険料と保障のバランスに満足かなど、定期的に見直してみることが大切です。

■保険の見直しは慎重に

「見直し」というと、“以前に保険を契約したときより年齢が上がっているから、保険料が高くなるのではないか”といったデメリットが浮かぶ方もいらっしゃると思います。保険はそもそも、自分自身に万が一のことがあったときや病気やケガをしたとき、ご自分とご家族の経済的リスクに備えるためのものです。

しかし、住宅購入時の団信加入によって死亡保険の保障額を減らせたり、新しい医療技術に合わせた保障を準備できたり、より自分のニーズにあわせられる場合もあります。ある程度預貯金に余裕ができ、保険自体が不要でその分を貯蓄に回すことを考えられる方もいるでしょう。

このように、ご自身のライフステージや経済状況、社会の変化によって、必要な保障が変わってきます。

年齢が上がると保険料が上がるので、お誕生月を迎える前に見直すのがおすすめです。ただし、加入している保険で給付金の請求をしたことがあったり、ここ何年かで病気やケガをしたりしている場合などは、今の保険を続けた方がよいこともあります。また、保険の見直しを行う場合には、他にも注意事項があるので、慎重に検討することが大切です(お客さまの健康状態などにより、新たに保険に入り直すことができない場合などがあります)。 見直しのご相談などはお気軽にコンタクトセンターにご連絡ください。ライフネット生命の保険プランナーが無料で相談を承ります。

<クレジット>
取材・文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部