「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「明石家さんちゃんねる」「EXILE魂」「オトナの!」など、数々のヒット番組のプロデューサーとして活躍しながら、会社経営、映画監督、書籍執筆まで、「やりたいこと」を次々に実現している角田陽一郎さん。近著『成功の神はネガティブな狩人に降臨する〜バラエティ的企画術』には、角田さんの仕事につながる考え方がいろいろな視点から書かれていますが、さまざまな企画を実現しているにもかかわらず、意外にも、自分の企画が会社に採用されたことがほとんどない、といいます。では一体どうやって企画を実現してきたのでしょうか。
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角田陽一郎さん(株式会社TBSテレビ 制作局制作一部兼 メディアビジネス局 スマートイノベーション推進部/バラエティプロデューサー)

角田陽一郎さん(株式会社TBSテレビ 制作局制作一部兼 メディアビジネス局 スマートイノベーション推進部/バラエティプロデューサー)

■企画は誰かに採用してもらうのではなく、自らが起こして実現していくもの

──角田さんはご著書の中で、実は自分の企画が会社に採用されたことがほとんどない、とおっしゃっていますが、それにしてはさまざまな企画を実施されていますよね。

角田:そもそも企画が採用か、不採用かととらえるのは、誰かにその判断をゆだねる組織のフレームの中にいるからなんですよね。だから企画会議という枠組みからはみ出して、採用されなくても実現できるようなレギュレーションから作っちゃえばいいんですよ。

組織の枠内では、企画の採用・不採用をジャッジする人を、みんなが神様だと思っている。それだと、もしその神様が“できない神様”だったら、その人に採用された企画なんてダメなものになっちゃうじゃないですか。だから本当は採用、不採用なんてなくて、その企画が実現するか、しないかだけだと思っているんです。

採用決定者もそうだけど、「お客様は神様じゃない、人間なんだ」と思っているから、そこは人間対人間のやりとりだけすればいいのに、お客様は神様のように接することがビジネスだとか、僕らだと視聴者は神様だとか思っているのは、大きな不幸なんじゃないかな、というのが根本にあるんですよね。

──なるほど、そうして角田さんがいま手がけている深夜番組「オトナの!」も、新しい仕組みから作った。

角田:多分本当にその企画がいいかどうかなんて、企画を採用する人は120%分かっていない。なぜなら、やってみないと結果は誰にもわからないから。なのに、そういう判断をしないと会社とか組織は動けないという事情も当然わかるので、それだったら違う組織を作って、自分たちでお金を捻出して番組を作るというシステムから作っちゃえばできるんじゃないかな、と考えた結果なんですよ。

──番組を実現する仕組みごと作ってしまう! 角田さん以外に、そんなふうに自ら枠組みを作っている方は……

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