こんにちは。ライフネット生命保険 マーケティング部の安藤です。

10月から、「がんアライ部」というプロジェクトがスタートしています。がんに罹患しても、いきいきと働ける社会をつくろうというプロジェクトです。 わたしはどちらかというと、「病気」というだけで身構えてしまうほうなのですが、今日はお見舞いの話を通して、少しでも病気について知っておいたほうがいいのかも、という気持ちになってもらえたらうれしいです。

■入院のお見舞い、悩んだ末に持って行ったものは……

とても大切な人が入院することになったのが、2年前。今その人はとても元気です。 そのとき、わたしははじめてのお見舞いで、本当に何もできませんでした。

入院する連絡を受けてから、病室へ行ったらいつもの笑顔で迎えてくれるのか、不安で仕方ありませんでした。わたしの想像が及ぶ限りでも、きっと普段の様子ではないと思ったからです。

だから、お見舞いのときには、喜んでもらえるものを渡すんだと決めていました。 他の人が持ってくるかもしれないお花やお菓子でなくて、その人に合ったものにしたいと思ったのです。

そのときふと思い立ったのが、ハンカチでした。退院してからだって使えるし、もしかしたら手術の間なんかも手に握っていられるかもしれない。 お守りみたいな感じで、名案なんじゃないだろうか。いつもきちんとしたきれいなハンカチを持っている人だし、結構喜んでもらえるかもしれないと、反応を楽しみにしながら病室へ向かいました。

ところが、病室に入る前、看護師さんに、「『頑張れ』とか『早く元気になってね』とか、言わないでください」と声をかけられました。「プレッシャーになるからといけないから」とのことでした。

それを聞いて一気に緊張してしまい、じゃあなんて声をかけたらいいんですか、と言おうとしたのを飲み込みました。

病室へ入ったあと、何か話せたのか、よく覚えていません。 『元気になってね』なんてとても言える状態じゃない、と、さっきの看護師さんの言葉を思い出していました。

何も言えず、黙っているその人のようすを伺うような時間が過ぎていくだけでした。 病室にいた間何もできなかったのに、「もう処置の時間だから」と、看護師さんに外に出るように言われました。

「また来るね」とだけ言って帰りました。

■もう少し、病気のことを知っていれば

自分では名案だと思っていたハンカチは、渡せませんでした。どんな言葉も、どんなお見舞いの品も、その人が病気であること、わたしは健康であることで、何か間違ったメッセージになるのではないかと思ってしまったからです。

「大丈夫だよ」と声をかけるのも、わかったようなふりをしているように聞こえたら嫌だなあとか、いろいろなことを考えました。ろくに言葉もかけられず、気持ちを伝えようと思って準備したものも渡せず、情けなくなりました。

お見舞いの正解って、なんだろうと思いました。本当はもっと落ち着いてから行くべきだったんだろうか。病院から帰る間も、もやもやした気持ちを抱えたままでした。

わたしはこの時点で、その人の病気のことを全く理解できていませんでした。 病院へ来る途中、聞いていた病名や症状で検索してみたものの、その人が治らない可能性にも目を向けなくてはいけないのが怖くて、途中でやめたのです。

はじめてその人に会ったあと、どう接したらよいのかわからず、担当の先生にお願いして、わざわざ時間をとってもらいました。 先生の話を聞くと、その人の症状は病気としては典型的なものであって、わたしが恐れていたことは杞憂に過ぎないと知りました。

先生には「僕らにとっては何度も見てきていることだけど、はじめての人は慌てるよね」と言われたのが印象的でした。 でも、わたしがその人の病気についてきちんと調べていて、知識があったとしても、やっぱりお見舞いのときには戸惑っていたと思います。

一方で、もう少し病気について知識があったなら、初めてのお見舞いのときの、自分でつくった「この人は病気になってしまったのだから、いつもどおり話してはいけないような気がする」といった勝手な思い込みはなくなっていたかもしれません。

がんに限らず、たとえば「死に至りそうな病気」というイメージだけで、なんとなく過ごしている人が多いとしたら、ぜひ、「がんアライ部」のサイトを見ていただけたらと思います。

これは後日談ですが、何もできなかった初めてのお見舞いからしばらく経って、その人に「すてきなハンカチ持ってるね」と言われたことがあります。 結局渡しそびれてしまったので、とっておきのお見舞いの品は、自分で使っていたのでした。

本当はあなたにあげるつもりだったんだよ、と話しはじめたくなったのを我慢して、「ありがとう」と言っておきました。

※2017年11月15日「ライフネット生命保険 社員ブログ」より

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