「がん」はかつて、不治の病だというイメージが強くありましたが、近年は医療の発達によって治療しながら生きていく病気になりつつあります。国立がん研究センターの統計をみると、「5年相対生存率」(がんと診断された方が、一般の方と比較して5年後に生存している割合)は年を追うごとに伸びていて、がんの種類やステージによっては80%を超えています。

つまり、がんに関しては治療費用だけでなく、再発予防やその後の生活を続けていくための備えが重要になってきているのです。

「がん保険」の形も、その変化に応じて変わってきています。では、いまの時代にあったがん保険を見極めるには、どのようなポイントをおさえておけばよいのでしょうか。

*出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」5年相対生存率の推移

■最近のトレンドは、「生きていくための保険」

最近のがん保険の傾向をみてみると、「がんと診断されたら一度にいくら受け取れます」という「診断一時金」が手厚いものと、「がんの治療をした月にいくら受け取れます」という「治療保障金」が手厚いもの、またはこれらを組み合わせたものが多くなっています。

以前は「がんで入院したらいくら」、「がんで手術をしたらいくら」といった、がんに特化した医療保険の延長のような保険が多かったのですが、保険の形も医療事情にあわせて変わってきているのです。

では、がん保険選びのカギを握る「診断一時金」と「治療保障金」について、おさえておくべきポイントをみてみましょう。

■「診断一時金」のメリットと注意点

「診断一時金」の大きなメリットとしては、まず、何といっても「わかりやすい」こと。がんと診断されたらまとまったお金がもらえるので、治療の方法や経過などに関係なく一律にお金が受け取れるのが特長です。

もうひとつのメリットは、受け取った一時金の使い道は、受け取った人が自由に決められることです。

治療費はもちろん、仕事ができない期間の収入減少を補ったり、変化してしまった髪や肌、むくみなどのケアに使ったり、体力が落ちている間のタクシーや家事代行サービスの利用などに使ったりと、治療費以外のところで必要になったさまざまな出費に、自由に使うことができます。まとまったお金が手元にあれば、治療の選択肢も広がり、生活の質の向上も期待できます。

では診断一時金の注意点とは何かというと、がんが再発したり転移したりしたときに、2回目以降の診断時にもう一度一時金がもらえるかどうかは、保険会社によって異なっていることです。

「診断一時金は2年に1回まで支払います」といった制限がある場合もあります。つまり、2年以内の再発に対しては一時金がおりないのです。また、2回目以降は、がんと診断されたら受け取れる一時金ではなく、治療や入院に応じての支払いに変わるタイプの保険商品もあります。がん保険を見直す際には、再発のときにも一時金がもらえるのか、もらえるとしたらどのような条件なのかを確認しておくことが大事なポイントです。

■「治療保障金」のメリットと注意点

「治療保障金」は、がんの三大治療である手術・抗がん剤治療・放射線治療のいずれかを受けると月額いくら払います、というものが一般的で、その額はだいたい月額10万円や20万円というものが多いようです。

これは治療を受けた月に対してもらえる保障金ですので、保険会社にとっては無駄が少なく済み、契約者の方にとっても保険料が比較的リーズナブルだというメリットがあります。

注意点としては、保険会社によって治療保障金の支給に「60回まで」や「120回まで」といった回数制限があったり、三大治療はOKでも、再発予防のためのホルモン剤治療は支払い対象外というケースもあったりします。

これにひっかかってしまうよくある例に、乳がんや前立腺がんがあります。
乳がんや前立腺がんは、手術などの治療後、長い方ですと5年や10年といったスパンでがんの進行や再発予防のためにホルモン剤を定期的に投与される場合があります。治療保障金の支給に回数制限がある保険や、その後の予防のためのホルモン剤が支給対象外の保険だと、ホルモン剤治療が続いているのに給付金が受け取れないことがあります。

すでにがん保険に入られている方や、がん保険の加入を検討されている方は、その点を確認しておいた方がよいでしょう。

例えば、ライフネット生命が販売しているがん保険「ダブルエール」。ベーシックタイプの場合、「診断一時金」と、治療保障金にあたる「治療サポート給付金」の両方を受け取れます。「治療サポート給付金」は、がんと診断された後、再発予防のためのホルモン剤治療も回数制限なく保障対象になっています。

「ダブルエール」は、「手術などの治療そのものが短くても、その後の予防治療に長くかかる場合がある」という、がんを経験された方から寄せられた声を反映して作られた保険です。

がんは時代とともに治療内容が変わってきています。その変化も踏まえて保険の内容も見直してみるとよいでしょう。

<クレジット>
文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部