日本では「国民皆保険」制度として誰もが公的医療保険に加入しており、公的年金制度にもすべての国民が加入しています。このように手広い社会保険制度ではありますが、いずれも職種体系によって種類の異なる保険に分かれて加入しているため、保障の内容は、自営業やフリーランスの方と、会社などに勤めている方とでは異なり、自営業やフリーランスの方に対する社会保障は、会社員などの方に比べてうすい状態となっています。

そこで、自営業、フリーランスの方が民間の保険に加入するときには、その差を考えて保障内容を選ぶことが重要になってきます。今回は、自営業、フリーランスの方が保険を選ぶ際に、どのようなポイントに気をつければ良いのかをみてみましょう。

■“会社員”との保障の差を加味して考える

自営業やフリーランスの方が、会社など組織勤めの方(以下便宜上「会社員」とします)と比較して、まず異なるのは、病気や怪我で長期間働けなくなったときの保障の有無です。

自営業、フリーランスの方が加入しているのは「国民健康保険」で、会社員は企業などが運営する健康保険組合や全国健康保険協会が運営する一般の「健康保険」です。「健康保険」では、病気や怪我で仕事ができなくなったとき、給料の約3分の2程度の「傷病手当金」というものが、最大1年6か月支給されます。

これで当座の減収を補うことができますが、自営業やフリーランスの方の「国民健康保険」には、この傷病手当金の支給制度はありません。

したがって、自営業やフリーランスの方は、「働けなくなること」がすぐに「収入がなくなること」につながるため、その部分を民間の保険で補うことをおすすめします。

例えば、病気や怪我の医療費などを補完する医療保険や、病気や怪我で長期間働けなくなった場合に毎月一定額が支給される就業不能保険などで、病気・怪我に対する備えを厚めにすることを考えましょう。特に、長期間働けない場合、収入が途絶えてしまい、家計へのダメージが大きくなりますので、十分な預貯金がない場合は特に、民間の保険を活用することが有効です。

■ご家族がいる場合は?

さらに、ご自分がご家族の家計を支える場合には、死亡保険も考えておきましょう。それにはまず、公的年金制度のうち「遺族年金」に注目します。

※日本年金機構などのサイトを元にライフネット生命保険作成

会社員の場合は、「国民年金」に加え、「厚生年金」にも加入していますので(会社員の方であれば、ご自身の給与明細をみると、「厚生年金保険料」が天引きされていますね)、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」さらに、18歳未満のお子さまが一人いる場合は、「子の加算」として、年額約22万円がプラスされ、全部で年額は156万円程度となります。お子さまが18歳を超えると遺族基礎年金はなくなりますが、妻が65歳になるまでは「中高齢寡婦加算」として約58万円が支給されます【図・Aさん(会社員)】。

一方、自営業・フリーランスの方の加入している社会保険としての年金は「国民年金」のみですので、万一の場合残されたご家族に支給される遺族年金の額は、「遺族基礎年金」として年額約78万円のみ。「子の加算」は会社員と同じ額ですので、それを加えると年額約100万円。会社員に比べて約2/3程度です。また、お子さまが18歳を超えると、遺族基礎年金はなくなります。「中高齢寡婦加算」もなく、妻が65歳になるまでは何の支給もありません。【図・Bさん(フリーランス)】。

万一のことが起こった場合、例えばお子さまが成人されるまでの生活費や教育費、配偶者の老後資金として残したい金額は、預貯金や遺族年金で十分でしょうか? 足りていれば問題ありませんが、もし足りない場合は、その分民間の保険を活用して備えておくことも選択肢のひとつです。

■自営業やフリーランスの方をサポートする制度いろいろ

これまでみてきたような、自営業やフリーランスの方の社会保障を補う役割を担う制度のひとつに、「小規模企業共済制度」があります。 これは、小規模企業の経営者や役員の方(個人事業主の方含む)が、廃業や退職時の生活資金などのために積み立てる共済制度です。掛金は全額所得控除できるため、税金面でのメリットもあります。もともと小規模企業の経営者・個人事業主の「退職金制度」ですので、万一のときの備えとしては、こうした制度も活用可能です。

民間の保険は、社会保険などのしくみを踏まえた上で、それに不足する部分を補う形に絞れば、リーズナブルに無駄なく活用できるものです。ご自分の職業や地域に対してどのような社会保険制度があるのか詳しく知りたい方は、以下のようなサイトから調べたり、ファイナンシャルプランナーの方や保険相談窓口などで相談したりすることができます。

また、当社ではLINEやメール、電話などで、社会保険制度をふまえた保険のアドバイスをしておりますので、お気軽にご利用ください。

【ご参考】

<クレジット>
文/ライフネットジャーナル オンライン編集部

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