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「マイナスとマイナスを掛けたらなんでプラスになるの?」 多くの人が一度は不思議に思っただろうことについて、そのルールを数理部の小林が紹介します。「なんで?」が整然と解き明かされていくのは、爽快ですね!


はじめまして。1月に入社しました数理部の小林です。
本日は子育てをしているなかで想い起こされたことを書きたいと思います。

ここ何年か、休日は息子(小学校2年生)との遊びに費やすことが多いです。それというのも、息子の休日の過ごし方が動画や漫画を見るばかりで運動不足なのを見て、これはマズイなと思ったためです。
遊ぶ時には、なるべく外に連れ出すようにしています。すると、海に行けば必死に泳ごうとするし、山に行けば楽しそうに岩をよじ登る。運動はあまり好きでないはずなのですが、本能に目覚めるのか、やれば楽しめるようです。
最近は教科書の漢詩を読むのが面白いらしく、大声で音読などをしています。このような、新しいことを楽しむ姿勢は見習うべきものがありますね。

ところで、私はずっと生命保険業界で働いてきました。
大学は文系でしたが、ちょっとしたことから少し数学を学ぶようになり、今の数理を扱う仕事に就きました。

いきなりですが、(-1)×(-1)=1という計算があります。
(-1)×(-1)=1 を証明するために、以下の計算を考えてみたいと思います。
いくつかのルール、
(a+b)×c=a×c + b×c, 0×a=0
は既に知っているとし、マイナスの定義をa+(-a)=0とします。
ここで(1+(-1))×(-1)という計算を考えてみます。

(1+(-1))×(-1)
=0×(-1) (マイナスの定義より)
=0

となります。また、(a+b)×c=a×c + b×c より、

(1+(-1))×(-1)
=1×(-1)+(-1)×(-1)     
=(-1)+(-1)×(-1)

ともできます。
つまり、(-1)+(-1)×(-1)=0ですので、マイナスの定義から、(-1)×(-1)部分は1でなければいけない。

以上、端折っている部分もありますが、(-1)×(-1)=1であることがわかります。
学生時代、公理(上で書いた「いくつかのルール」のこと)からさまざまな結果を導いていく、という整然とした考え方に魅力を感じたのがきっかけで、数学に関心を持つようになったのでした。

冬でも元気な息子をよそに、在宅勤務でやれ腰が痛いだの、足元が冷えるだの弱音ばかり浮かんできてしまう私です。しかし、好奇心や、新しい体験や知識に感動したりする感性は、大人になっても失いたくないものです。

数理部
小林