(写真はイメージです)

毎朝の一杯や、一仕事を終えたあとの一杯などに味わう香り高いコーヒーが欠かせないという人もいるでしょう。自分の手でていねいにドリップするのも楽しいひとときです。そして香りと味を楽しんだあとのコーヒーの粕(かす=コーヒーグランズ)は、乾燥させれば脱臭剤として家の中で再利用もできます。そのように、一般の家庭ならば粕を有効に使うこともできますが、コーヒー専門店で出る粕は量が違います。多くは廃棄されていたそのコーヒー粕を再利用できないかと考え、リサイクル活動を進めているCOFFEE FREAK PRODUCTS代表の青木望さんにお話をうかがいました。

当記事はFMラジオJ-WAVE「JK RADIO TOKYO UNITED」の番組で、世の中をもっと楽しく、グッドにするためのアクションを紹介する『COME TOGETHER』より許可を得て加筆転載しています

■COFFEE FREAK PRODUCTSとは?

今まで捨てられていたコーヒー粕(かす=コーヒーグランズ)を利用して生産者・ロースター・バリスタ・消費者をつなげる輪を作りたいという考えから始めたプロジェクトです。カフェ店舗などで毎日排出されるコーヒー粕を材料にしてキャンドルと石鹸を製作し、そのコーヒー粕が生まれた場所、つまりカフェ店舗などで販売し、利益の一部を生産者・生産地に還元したり、環境保護団体などに寄付したりするというものです。

代表の青木望さん

■プロジェクトはどのようなきっかけで始まりましたか?

2つのきっかけがありました。
1つ目は、デザインの専門学校に通いながらアルバイトをしているときに、ラテアートに魅力を感じて、よく練習していたのですが、練習すればするほど目の前にコーヒー粕が山盛りになって捨てられていくのを見たことです。そのとき「なんとかできないか」と思ったのです。

2つ目は、コーヒーの歴史を本などで調べてみて、コーヒー生産の労働力は奴隷たちによってまかなわれていたと知ったことです。現在ではフェアトレードや、企業が農園を買い上げ適切に取引するケースも増えているようですが、まだ一部には不当な労働を強いられている人々もいます。それで生産者・生産地に何かしたいという思いを強くしました。

■コーヒーの絞り粕は、どのように処理されるのが一般的だったのでしょうか?

席数10席程度の小規模店舗でも1か月20~30kgのコーヒーを仕入れ、コーヒー抽出後はそのほとんどを捨てています。規模の大きいコーヒーチェーンの一部店舗では、牛の飼料や、たい肥として再利用するべく処理していましたが、ほとんどの場合は、ときどき洗面所に置いて脱臭剤として利用するといった程度で、ほとんどが捨てられています。

■現在の商品を紹介してください

現在は石鹸3種(エスプレッソ・カフェラテ・ハニーラテ)とキャンドルを製作しています。材料のコーヒーグランズは、遠方でなければ直接回収に行き、回収した後、迅速に乾燥殺菌処理し、石鹸・キャンドルの各工房で商品を製造。石鹸は、大阪の石鹸工房に製造を依頼しているのですが、そちらでは厳選された素材を使用し、職人がひとつひとつ石鹸を手作りしています。オリーブオイルが主成分で、洗いあがりがとても気持ちのいい石鹸なんですよ。

キャンドルは富良野の工房に製作を依頼していますが、キャンドル製作の際に用いられる蜜蝋も富良野産を使用し、こだわって作っています。実際に火を着けると蜜蝋の甘い香りとコーヒーの香ばしい香りがほのかに香り、優しい雰囲気を感じられるでしょう。

■今、これらの商品は購入できますか

現在は、東横線多摩川駅近くの動物病院併設カフェhiffcafeで、ハニーラテソープを販売しています。また4月に青山の国連大学前で開催された東京コーヒーフェスティバルや、そのほかのイベントに出店して販売することがあります。美術館とのコラボレーションの話も進めているので、こちらは情報がオープンになり次第インスタグラム等で発信予定です。

■今後COFFEE FREAK PRODUCTSは、どんな展開を考えていますか?

プロジェクトを広く周知するために、イベントに出店すると同時に、カフェ店舗やカフェを併設する宿泊施設などに、お土産として置いてもらいたいと考えています。日本のコーヒー文化に新たな視点を付加できるように、また世界中でコーヒー粕を再利用することが当たり前になるための一つのモデルになれるよう精進するつもりです。

コーヒー粕の回収方法や販売中の製品、イベントへの出店情報などを紹介したウェブサイトをぜひご覧ください。

<インフォメーション>
COFFEE FREAK PRODUCTS
●http://coffee-freak-products.com/