(写真はイメージです)

いよいよ今年もあとわずかとなった今回は、開業時からライフネット生命を支えている高尾の社員ブログです。
よく海外に行く高尾ならではの視点で、地球への想いを語っています。


元号が平成から令和に変わり、2019年もあとわずかになりました。
明るい出来事もたくさんあったと思いますが、やはり今年は全国各地に甚大な被害を及ぼした自然災害が最も記憶に残ります。

とりわけ10月に日本へ上陸した台風19号では、週末に首都圏を直撃するということで鉄道の計画運休が早々に決まり、数日前からスーパーでは水や食料が品薄状態になりました。
当日も、普段であれば開いていて当たり前のコンビニまでもが閉まり、外は雨風だけの音が聞こえるゴーストタウンのようになっていたのが印象に残っており、今まで経験したものよりもはるかに強い台風の威力を実感しました。

同時に、この出来事と重なる記憶が蘇ってきました。

2005年8月に、私たち夫婦はアメリカのフロリダ州に移住することになりました。
移住して1週間もしないうちに「ハリケーンが来るから今のうちに備えるように」と地元の方から言われ、「何に備えたらいいのだろう?」と思いつつスーパーに出向いたものの、すでに水や食べ物は棚から消えていました。

完全に出遅れたことに呆然としながら家に戻ると、今度は同じアパートの住人が窓という窓に硬い鉄板のようなシャッター(ハリケーンシャッター)を打ち付けていました。「これは我々も真剣にやらなければ、何かあった時に危ない」と考え、夫婦で汗だくになりながら、早速とりかかりました。
とても重いシャッターであるにもかかわらず、隣の大学生ぐらいの女性は慣れた手つきで涼しい顔をして一人で取り付けていたのが印象的でした。現地の住民の危機意識の高さと、用意周到さ、行動力に感心し圧倒されたのを今でもよく覚えています。

そのハリケーンはフロリダ州を通過し、最大時には強度最高を示すカテゴリー5になり、ニューオーリンズの約8割を水没させたアメリカ史上に名を残す「ハリケーン・カトリーナ」でした。

当時を振り返ってみると、フロリダ州は避寒地と言われ一年を通し温暖ですが、夏場は人がとても外を歩けないほどの暑さ、尋常でない降雨、巨大化するハリケーンなどに見舞われました。
あの頃は「国が広ければいろいろな災害が起こるのだな」とただ圧倒されていました。しかし、人間が地球上で好き放題にしてきてしまった結果が、今のわたしたちの生活の中で具体的に感じられるようになりました。

アメリカの「イエローストーン国立公園」。高尾はここで地球の生命の迫力に感動したという。

日本は四季がハッキリ分かれていて、季節ごとの味覚や風景をふんだんに味わえる国だったはずなのに、ここ数年では季節の境もあいまいになってきているように思います。
専門家ではないので、地球温暖化が原因と決めつけることはできませんが、海抜0地帯の冠水や、森林火災、大寒波、干ばつ、氷河融解など、異常気象の映像が頻繁にテレビで流れています。
また、プラスチックをはじめとする廃棄物により海洋が汚染されることで懸念される生態系への影響も、結局は私たち人間が原因なのかと思うと、恐ろしくなります。

次世代が安心して暮らせる環境の維持に貢献し、これまで見てきた数々の世界の素晴らしい風景が失われないよう守りたい。そのためには個人レベルでもどのように振る舞い、何をすべきか、真剣に考えていきたいと思っています。

システム企画部
高尾