アデランス の医療用ウィッグ「Rafra」

2018年1月、ライフネット生命はアデランスと提携し、働きながらがんを治療することをサポートする「がん生活サポートサービス」に「医療用ウィッグ(かつら)」を拡充しました。

アデランスは、理美容の技術やウィッグを通して患者さまをサポートし、医療分野の事業を多数展開しています。病院内に設置した理美容サロン、治療中の患者さまに向けた医療用ウィッグ、患者がストレスなく社会復帰できるためのきめの細かなサポート。そして多種多様な社会貢献活動。遠藤敏文さんのお話が続きます。(前編はこちら)

■やさしい商品、やさしい接客、やさしい環境

アデランスが16年前から設置を始めた病院内の理美容サロンはバリアフリーを実現し、車椅子での来店も可能です。車椅子から理美容イスへの移乗が難しい患者さまも多いことから、移動式の理美容イスも導入し、座ったままシャンプーやカットが簡単にできるようになりました。

「サロンで常に意識しているのは、やさしい商品、やさしい接客、やさしい環境です。患者さまはただでさえ病気に対して苦しんでいますから、いかに安心してもらえるかが一番大事。プライバシーに配慮した個室で医療接遇講習を受けた専任のスタッフが対応しています。

接客スタッフの教育にはサロン発足時から力を入れてきました。下着やネイル、メイクについてもある程度のアドバイスが提供できる環境は整えています。抗がん剤治療でまつ毛が抜け爪も傷み、手術により乳房を切除したという方もいらっしゃいますから。サロンは、お客さまがストレスを感じず社会復帰していただくためのお手伝いをする空間です」

やさしい環境の中、やさしい接客を通して提案されるのが、レディメイド(既製品)の医療用ウィッグ「ラフラ」と完全オーダーメイドの「ラフラ・アイフット」。「やさしい商品」のその特徴をお尋ねしました。

遠藤敏文さん(株式会社アデランス 医療事業推進部マネージャー)

「抗がん剤治療で髪の毛が抜け始めてから自分の髪が生えそろうまで1年はかかります。毎日使うものですから、軽さや通気性にこだわり、患者さまがつけたときに締め付けられる感じがないよう、治療中の敏感な肌にも優しくソフトな裏地を採用しました。

扱いやすさにも自信がありますよ。ウィッグは自分で洗って自分でセットできないと、毎日使い続けることはできないので、ある程度自然乾燥させた上でスタイルを維持しやすいウィッグを実現しました」

スタッフはお客さまの要望を丁寧に聞きながら、自分らしいと思えるスタイルへとウィッグを調整していきます。ラフラの語源は「元気回復」を意味するフランス語の「rafraîchissement(ラフレシッスマン)」の略。医療用ウィッグを通じて、笑顔がこぼれる毎日へ踏み出してほしい。病院内の理美容サロンでは「ラフラ」を、そんな願いが込められたウィッグとして提供しています。

■ウィッグのイメージが変わった

医療用ウィッグを装着することで前向きになれた、自分らしさを取り戻した。たくさんの声がアデランスには寄せられていますが、現実に、ウィッグをつけることで心理的QOL(やる気、積極性・自信、プライドおよび全般)が改善することを証明した研究が、日本皮膚科学会総会の場で発表されています。

ウィッグがポジティブな気持ちで使用者の活力を増進させ、心理的役割を担うアイテムであることが2013年に世界で初めて明らかになったのです。この調査研究はAGA(男性型脱毛症)の方々を対象にしたもので、女性がウィッグを装着するときの心理的効果に関してはまだ学術的なエビデンスは出ていませんが、女性も同様の効果が期待できるからこそ、ニーズが顕在化してきているのではないでしょうか

※アデランスが協力した、AGA(男性型脱毛症)の心理的QOL(Quality of Life)へのウィッグ(かつら)の効果に関する調査結果(大阪大学大学院医学系研究科皮膚・毛髪再生医学寄附講座 板見智教授、乾重樹准教授、国立障害者リハビリテーションセンター福祉機器開発部 井上剛伸部長、2013年第112回日本皮膚科学会総会にて発表)。では、ウィッグを装着したとき、気持ちもポジティブになることがわかった(図参照)

アデランスウェブサイトより「AGAの心理的QOLへのウィッグ(かつら)の効果に関する調査結果」(調査概要はこちら)

ウィッグの社会的位置づけやイメージもいまや大きく変わりました。人目をしのんでつける、装着していることは誰にも言いたくないというネガティブなイメージは大幅に軽減し、いまやウィッグという言葉にはオシャレな響きさえあります。

「以前と比べて『かつら』という言葉を使う機会が少なくなりました。どこか恥ずかしいもの、隠したいものといったイメージがつきまとう『かつら』と違って、『ウィッグ』には気持ちが上がるもの、積極的に取り入れたいもの、という前向きなイメージがあります。

私たちが目指しているのは、がんの患者さまが一時的に医療用ウィッグを経験して、ウィッグに対する抵抗がなくなった後、病気が治って仕事に復帰したときに今度はオシャレのためのウィッグをつけるようになるというライフスタイルです。

ウィッグは怪我や病気で脱毛したときの心の支えにもなるし、その人の個性を活かせるファッションの一部でもある。病気の方はウィッグの力を借り、元気な方はオシャレを楽しむためにウィッグをつける。いずれはそうした未来を今以上に実現していきたいですね」

一時的なやむをえない使用から、永続的な使用へ。ウィッグを身近な存在として活用する女性の姿はいずれ珍しいものではなくなっていきそうです。

■継続的で幅広い社会貢献活動

ウィッグのイメージアップに力を注ぐ一方で、品質の維持と向上にも余念がありません。医療ウィッグの市場が拡大し、参入が相次いでさまざまな商品が氾濫したことから、アデランスは日本毛髪工業協同組合の旗振り役として、経済産業省に医療ウィッグのJIS規格の制定を働きかけました。2015年に制定された「M Wig(エムウイッグ)」は、世界初の医療ウィッグの国家規格です。

「医療ウィッグとして本当に品質的に問題がないかどうかを審査して認可を出しました。現在は、医療用ウィッグ業界のほとんどが加盟しています。まだ時間はかかるでしょうが、医療ウィッグの保険適用を業界をあげて目指していきます。」

毛髪事業を通した社会貢献活動にも熱心に取り組んでいます。1978年から「子どもたちの髪の悩みを心の傷にしないために」をテーマに掲げ、病気やケガなどの理由でウィッグを必要としている子どもたち(4才〜15才)に無料でウィッグをプレゼントする「愛のチャリティ」を続けてきました。

当初はクリスマス限定の企画でしたが、2012年からは年間を通して実施されています。贈呈するウィッグの種類も早くウィッグが欲しいという声に応え、1か月以上の日数を要するオーダーメイドに加えてレディメイドの提供も始めました。2016年度は339人の子供たちから応募があり、全国の店舗で贈呈しています。

2016年4月からは、髪の寄付に製作した人毛100%のウィッグを子供たちへ無償提供しているNPO法人JHD&C(ジャーダック)の趣旨に賛同し、全国のアデランスの店舗を頭のサイズの採寸やウィッグを渡す場所として提供しています。ご希望によりウィッグ装着後のアフター対応もしています。また、提供するウィッグの製作対応をしています。

「ヘアドネーションとは、寄付された髪の毛を選別・加工し、ウィッグとして再生させ、子どもたち(18才以下の希望者)に提供する取り組みです。もともとは髪の毛に関する取材をしたいと当社にやってきた帯広の女子高校生から、JHD&Cのことを聞いたんですよ。個室サロンがなくて困っていると聞いたので、すぐに協力することになりました。」

自分たちの強みが活かせそうであればすぐに対応し、アクションに移す。アデランスの継続的で幅広い社会貢献活動は世界に誇る独自の技術やノウハウ、そしてフットワークの軽さと粘り強さに支えられています。

(了)

<インフォメーション>
●アデランス

<クレジット>
取材/ライフネットジャーナル オンライン 編集部
文/三田村蕗子
撮影/横田達也

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