(画像はイメージです)

皆さん、こんにちは。ライフネットジャーナル編集部の年永です。
あっという間に秋となり、空気もひんやりしてきましたね。

さて、フリーランスのライター業を始めて数年経ち、「フリーランスってどうなの?」と聞かれることが増えてきました。働き方について悩む時、人によってはフリーランスとしての独立が頭をよぎるのかもしれませんね。
皆さんは「フリーランスで働く」と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?

  • 働く場所を選ばない
  • 会社員に向かない人がのびのび働ける
  • 収入が会社員時代よりアップする

など、フリーランスの良さを目にする機会もあると思います。実際にはどうか、私の個人的な考えや体験からお話しします。

・働く場所を選ばない

フリーランスは決まったオフィスへの通勤がありませんので、コワーキングスペースで働いたり、ワーケーションを楽しんだりできる、なんて想像したことがあるかもしれません。

これについては、お仕事の内容や取引先によります。例えば取引先のオフィスでの対面打ち合わせを求められることが多ければ、取引先から離れた場所で仕事をするのは大変でしょう。
また、取り扱う情報が機密性の高いものの場合、お仕事をする環境が限定されることもあり、あまりオープンな場所で仕事をすることは難しくなります。そうなるとやはり、お仕事をする場所はある程度限定されることになりそうです。

・会社員に向かない人がのびのび働ける

いろいろな事情で「会社勤めが向いていないな」と感じて、フリーランスへの転向を考えることもあるでしょう。会社員の時とは違い、必要な仕事だけに専念できるというのは理想的に感じるかもしれませんね。
「のびのび働ける」の考え方は人それぞれですが、事務処理を苦手な人は苦戦することも多くなるかもしれません。

わかりやすい例ですと、確定申告が挙げられます。
会社員の方の場合、副業をしていて本業以外に収入があるなどの事情がなければ、基本的な手続きは会社がしてくれるため、年末調整の書類提出のみで手続きが完了します。フリーランスの場合、書類を揃えての確定申告手続きなどを行わなくてはいけません。

さらに、取引先への請求書作成・送付を始め、経費とする領収書を基にした帳簿付けが日常的に必要となります。人によっては、会社員時代に比べてかなり事務的な作業が増えるでしょう。

また、会社員の時とは違い、同僚や上司といった「身内」といえる存在がいません。社内の人間関係に気を遣うことがない代わりに、仕事で関わる人のほとんどが「お客さま」である取引先となりますので、接し方には気を付けなくてはいけません。

・収入が会社員時代よりアップする

「会社員の時に比べて、収入が●倍に」「フリーランスになって月収数百万を達成」と、ご自身の経験を話す人もいます。確かに、フリーランスは自分で仕事を受ける量を決められますし、場合によっては価格の交渉も可能でしょう。
しかし、それも安定してお仕事をいただける取引先ができてから。フリーランスとして駆け出しの状態の時は、やはり仕事自体も少なく、受け取れる金額も少ないことがあります。そうなると、会社員時代の貯蓄を削って生活を過ごす、という可能性も。収入が●倍に、というのは努力の先にあることなのは、会社員時代と変わりはないものです。

・フリーランスとして働くのは自由だけではない。けれど……

このように、フリーランスとして働くということは、耳にするものよりも、厳しい面や自由とはいえないこともあります。しかし、私はこの働き方を選んで良かったと思っています。会社員時代に比べると収入面ではまだまだ追いつけていませんが、精神的な幸福度が上がったと感じているためです。

重要なのはフリーランスになるかどうかよりも、自分がその選択をしたことで幸福になれるかどうかです。フリーランス以外にも、会社員としての働き方や働き先を変えたり、副業を始めてみたり、働き方の選択肢はいろいろあります。
たとえばライフネット生命の場合、ライフネットとしての仕事と別の仕事で活躍をしてキャリア形成をしていく「複業」を推進しており、複業を前提とした30歳未満の方を対象とした「パラレルイノベーター採用」なども行っています。

いずれにしても、将来、具体的にどんな仕事をしていきたいか? どんなことをできていれば安心して幸せに過ごせるか? 考えていき、スキルアップなどに励んでみてください。それは必ず、自分の力になりますよ。

もしもフリーランスとなるのであれば公的保障の知識も必要

いろいろなことを考えた末に、やはりフリーランスとなる道を進みたいということであれば、公的保障の知識を身に着けることも忘れずにしておきたいことのひとつです。フリーランスは一般的な会社勤めの方に比べて、受けられる公的保障が手薄になっています。特にコロナ禍のような社会の大きな動きの中では、先行きを見通せない不安も出やすいです。

病気やケガでお仕事を休んだ場合、会社員であれば一定期間内傷病手当金を受け取ることができますが、フリーランスにはそれがありません。また、会社員として加入していた厚生年金と、フリーランスとして加入する国民年金とでは、将来受け取れる金額に差も出ます。

病気やケガをした場合の備えについては、貯蓄を進めていくのはもちろん、民間保険に加入をして備えるといった方法もあります。年金については国民年金に上乗せできる国民年金基金や確定拠出型年金(iDeCo)に加入することで、会社員の場合との差を埋めることもできそうです。

また、フリーランスとしての仕事が軌道に乗るまでアルバイト勤めなどをして、その会社で社会保険に加入させてもらうのも良いでしょう。週20時間以上、継続して2ヶ月を超えて働くなどの要件を満たせば社会保険の対象となり、傷病手当金の受け取りや厚生年金の加入ができます。その間に貯蓄を進めるなど、フリーランス1本で働くときの備えを考えていけそうです。

フリーランスとなるのであれば、「自力で知識を身に着ける」ということが必須になっていきます。まずはこうした公的保障についての学びから始めてみてはいかがでしょうか。

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ライフネットジャーナル編集部 マーケティング部
年永