これからの人生をともに過ごしたい。心からそう思えるパートナーを得て、二人で新たなステージへと歩み始めたとき、気になるのが「もしも」のときのこと。しかし、日本では同性パートナーの法的な婚姻関係はまだ認められていません。同性カップルを結婚に相当する関係として認め同性パートナーシップ証明書を発行する自治体も増えてはいますが、同性パートナーは財産相続をはじめ、さまざまな場面で制約を感じることも少なくありません。

そうした中、ライフネット生命は2015年11月から保険金の受取人に同性パートナーも指定できる制度を開始しました。それを受けて当社の生命保険に加入した同性カップルの方々は、どのようにして出会い、どのような日々を送っているのでしょうか。現在置かれている状況や悩み、保険に加入した経緯について、3組のご契約者にお話をうかがいしました。

 ●ストーリー1:Aさん & Bさん
 ●ストーリー2:Cさん & Dさん
 ●ストーリー3:Eさん & Fさん

■ストーリー1:ブログで広がった交友関係が支えるポジティブな暮らし

AさんとBさんの出会いの場はSNS。共通の趣味を持つ二人は10年を超えるおつきあいを続け、9年ほど前からいっしょに暮らし始めました。お2人でブログも開設したことがネットワークを飛躍的に広げる契機になったそうです。

ご契約者のAさんとBさん

「私は以前、男性と結婚していて家庭があったので、Aさんと暮らし始めるまでにはいろいろな障害がありました。本当に重たい状況で当時は立っているのがやっとなほど。少しでも自分の気持ちや状況をわかってくれる仲間がほしくて始めたブログでした。これで友人が一気に増えました。本当に救われました」

「こんなにたくさん同じような境遇の人がいるんだなと実感しました。ブログを通して知り合った友人が全国各地にいます。インターネットの力を感じますね。結婚式に出かけたり、ふらっと旅行に行って泊めてもらったり。楽しいですよ」

ライフネット生命の保険に入ったのは、保険の見直しを考え始めたのがきっかけでした。

「それまで入っていたのは昔、知人に紹介された保険。担当者は遠方にいて、一度も会ったことはありませんでした。これでは担当者がいる意味はないなと感じていました。母が受取人になっていたし、私の年齢も上がったので、そろそろ保険について真剣に考えた方がいいと思い、ネットで検索をしてみたんです。
ライフネット生命が同性パートナーを受取人に指定できることはどこかで聞いたことがありました。検索してみると、説明もわかりやすく、申込みはインターネットの手続きと必要書類を提出するだけだったので、とても便利でわかりやすかったです。本当にこれだけでいいの?と思いました(笑)」(Aさん)。

3年ほど前から二人は自分たちの関係を周囲にオープンにすることもありますが、Aさんは職場にそのことは伝えていません。まだまだ偏見がまだ色濃く残る業界だからとAさんは言います。日常生活でも好奇の目を感じることもあるとのことですが、ポジティブな姿勢を失ってはいません。

「若いときと違って、今は『いやなら私とつきあわなければいい』と思える。年をとっていくからこそ楽しいことを考えないと、という気持ちもあります(笑)。いま周囲はみな良い人たちばかりで、カムアウトしても「あ、そう」と言うだけ。他のカップルや夫婦の方と一緒に旅行に行くこともありますよ。何の障害もありません。もちろん、そうじゃない人もいますけどね。それはそれです。自分の人生を楽しめることが大切です」

4年ほど前に二人は共同で家も購入しています。しかしカップルでの共同ローンを打診したものの、銀行に認められず、ローンはAさん一人での契約です。

「ただ、担当者と話をして『二人でやっていく』と話したら、ローンを組むことができたんです。病院でも『パートナー』と言ったら通じるようになっています。公的にはまだでも、民間や個人レベルでは変わってきている気がしますね」

そう明るく話しながらもAさんは「自分をマイナス志向」と自認しているとか。そのAさんを明るくポジティブに支えているBさん。お互いをうまく補完し合うパートナーシップが二人の生活を明るく照らしています。

*同性パートナーを受取人に指定する場合は、お申し込み時に「パートナー関係に関する確認書」と「住民票」の両方が必要です(※場合によっては面談もあり)

■ストーリー2:まだ不十分だけど、進歩はあると実感している

ともに結婚歴があるCさんと Dさん。お互いに「ひとめぼれだった」という運命的な出会いを通して結ばれ、2 年前には二人だけで結婚式をあげています。C さんは、D さんが前の結婚でもうけたお子さんとも良好な関係を築き、二人の家にお子さんが遊びに来ることも多いとか。しかし、現在に至るまでには山あり谷あり。Cさんは言います。

ご契約者のCさんとDさん

「親からのプレッシャーや世間体が悪いという理由で結婚しましたが、違和感をずっと感じていました。母に離婚のことや、自分のセクシュアリティを告げた後は、1 年半ほどは疎遠になりましたね。でも、去年の末ぐらいに『うちにいらっしゃい』と言われ、そのときにお互いに言いたいことを言ったら少し距離が縮まりました」

結婚当時二人は、 Dさんのお子さんが住む家の近所に住み始め、それぞれが既に加入していた保険について見直し始めますが、その矢先……。

「Cが体調不良で倒れてしまったんです。結果的には、疲労によるものだったんですけどね。 このことがきっかけとなりマンションを購入することになりました。そして、お互いを受取人に指定できる生命保険なら現金を残せる! これはもう入るしかないと思いました。もちろん税金で取られる分も考慮して入っておきました(笑)」(Dさん)

ライフネット生命の保険に入った後、ホッとしたというDさん。 「私が先に亡くなったら、彼女にはお金が必要だと思ったんです。保険に入っていれば、私でも彼女の役に立てるような気がしました。」(Dさん)

ライフネット生命を選んだのは、同性パートナーシップ証明書がなくても同性のパートナーを保険の受取人に指定できたため。親や兄弟を受取人にしたほうがいいのか、税金を考慮して保険料はいくらにすればいいのか。わからない点についてはメールや電話で問い合わせました。

「手続きは非常に手軽で簡単でした。私なんか、Dに言われて新幹線の中で申し込みをしたんですよ(笑)」(Cさん)

二人は婚姻契約書を締結しています。それと併せてマンションの相続についての項目も設けた遺言書を作成したい。そんな二人の気持ちを汲んだ弁護士さんが民法に沿って異性婚と変わらない文言を盛り込んだ婚姻契約書と遺言書を作成。その内容は NPO法人のホームページに掲載され、誰でも使える形になっています。

CさんとDさんがいま不安に感じているのは、緊急時の連絡先としてお互いを指定できていないこと。二人とも職場にはカムアウトしていないため、何かあっても、いったん親族に連絡が行った後にしか連絡は入ってきません。ある不動産屋さんでは、暗に同性パートナーで あることを理由に部屋の提案を断られたこともあります。

しかし、この数年で世の中の理解は進んだとCさんは話します。

「自治体がパートナーシップを認めたり、同性パートナーで保険に入れたりしますからね。でも、自分たちがここ数年で仲間と関わってきているから、というのも大きいかな。以前と比べたら、かなり生きやすくなりました」

結婚式をあげたときの神父さんも、式を企画したプランナーさんも、いまでは二人の飲み仲間。会場となった結婚式場には散歩がてらよく足を運んでいるそうです。

「あと、タバコを吸わないとかお酒を飲まないとか、健康に気を配っている人の保険料が下がったら申し分ないんだけれど」とCさんは笑います。 CさんとDさんの周りはいつも笑いに満ちています。

■ストーリー3:子どものために生命保険に入ろう

職場では男性として働いているEさんと、ストレートのFさんは15年前に知り合い、5年前から一緒に暮らし始めました。紆余曲折はあったものの、いまではどちらの親御さんも二人の結婚を認めています。4年前の2014年には結婚式をあげ、親しい友人を招いてのパーティも開きました。

(写真はイメージです)

子どもがほしい。そう考えた二人は、Fさんが第三者から精子提供を受けて法律上ではシングルマザーになるという形で子どもをもうけました。お子さんはいま1才1か月。ライフネット生命の保険に加入したきっかけは、まさにお子さんにあります。

Eさんは言います。

「自分が死んだときに子どもに何かを残す手段の一つとして、生命保険を考えました。実は、前に知り合い経由で保険代理店の方を紹介してもらいましたが、その方はろくに調べもせずに『同性パートナーを受取人にするのは無理』『受取人は家族にしてください』と言ってきたんです。でもネットで調べたら、ちゃんと私たちの条件を満たす保険会社があった。それがライフネット生命。手続きが簡単なのでびっくりでしたね(笑)。プランを選ぶと料金がすぐに試算できるのも便利でした」

ただし、Eさんは担当者に直接会って話を聞きたいという気持ちも強かったといいます。

「会って話すのと電話で話をするのとは違います。人間性というか、そういうのもちょっと加味して保険を選びたいというのが正直なところでした。でも、対面じゃないからかえっていいという人がいるのもわかります」

Eさんがいま気にかけているのは、お子さんとの関係を法的には守れないこと。Fさんは学資保険や生命保険に入り、受取人をお子さんに指定していますが、Eさんが保険に入ってもお子さんに残すことはできません。

「家族という枠で見てもらって、どちらかが死んだら保険がおりる。血の繋がりがなくても保険がおりる。そんな商品があればいいと思います」というのが二人の共通した意見であり、願いです。

また、法律上の配偶者であれば保険金の受け取りにあたっても税制が優遇されますが、同性パートナーへの適用は不可。同性パートナーの場合、異性の事実婚のような判例もないため、保険金に対しては税金が重くのしかかります。

「何をするにしても法律が引っかかってくる。日本の法律だと上半身も下半身も手術をしなければ性別は変えられません。でも、手術を受けたくないという人もいる。法律に当てはまらない限り、性別を変えられないのは不便だと感じています」

Fさんが案じているのもやはりお子さんの将来のことです。

「将来、子どもに対してどういうふうにカミングアウトしようかなと考えます。でも、心配はそれぐらいでしょうか。ほかには特に不自由はしていないので」

そう語るFさんに「僕はけっこう不自由しているのに」とEさんは笑って応えます。二人の掛け合いから厚い信頼関係がうかがえます。

「遺言書の作成も考えています。弁護士さんに一式作ってもらうと50、60万円かかりますが、必要だったら高額でも仕方がない。死んだ後、二人がちゃんと生活できるのであれば作ってもいいかな」とEさん。お子さんも加わったことによる「愛情あふれる家族」の姿がそこに広がっていました。

<クレジット>
取材・文/ライフネットジャーナル オンライン 編集部

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